子どもの便秘|ずっと飲ませて大丈夫?薬と腸育の上手な付き合い方

子どもの便秘|ずっと飲ませて大丈夫?薬と腸育の上手な付き合い方

子どもの便秘で病院に行くと、酸化マグネシウムやモビコールを処方されることがありますよね。

この2つは腸を無理に刺激するタイプの薬ではありません。どちらも便に水分を含ませて、出しやすくする薬です。比較的効果が早く見られますが、自己判断で急にやめたり量を変えたりするのはおすすめできません。

正しく使用することで、いつか薬に頼らなくてもいいおなかを目指すことができます。

「酸化マグネシウム」と「モビコール」

子どもの便秘薬として病院でよく処方される2つの薬。どちらも「便を柔らかくして出しやすくする」のが目的ですが、その仕組みには少し違いがあります。


酸化マグネシウムは「スポンジ」の役割

古くから使われている最も一般的な便秘の薬です。
便に水分を含ませるスポンジのような働きをします。

  • 水分を引き寄せる:腸の中で水分をギュッと吸い寄せます。
  • 便をふやかす:カチカチに固まった便に水分を含ませ、スポンジのように柔らかくします。
  • 自然な便意を促す:便が水分で膨らむことで、腸の壁を優しく押し、「出して!」という信号を脳に送ります。

腸を直接刺激しないため、お腹が痛くなりにくいのがメリットです。

モビコールは「保水バリア」で詰まりを防ぐ

2018年から日本でも使えるようになった、比較的新しいお薬です。

  • 水分を離さない:水に溶かして飲みますが、その水分をしっかり抱え込んだまま腸まで届きます。
  • ゼリー状に保つ:便をゼリー状の柔らかい状態に保ちます。
  • 圧倒的な保水力:酸化マグネシウムよりも水分をキープする力が強く、出口で便が詰まるのを防ぎます。

「このままずっと薬を飲み続けるの?」

一番不安になるのはここかもしれません。

「薬がないと便が出ない体になってしまうのでは?」
「このままずっと続くのかな?」

依存性の心配はほとんどありません。

酸化マグネシウムとモビコールは依存性が低いことでも知られています。「飲んだら腸が怠ける」「飲まないと一生出なくなる」と過度に怖がる必要はありません。
大切なのは薬を使って痛みなく出せた!毎日出るようになった!という、排便の成功体験を積むことです。

なぜ「すぐやめてはいけない」のか

「出たからもう飲ませなくていいや」と自己判断で中断するのが、実は一番もったいないことです。便秘が長く続くと腸の中に便がたまりやすくなり、直腸が広がってしまうことがあります。
直腸が広がると便がたまっても便意を感じにくくなり、その結果さらに便をため込んでしまいます。

この悪循環を断ち切るには、便をためない期間を作ることが大切。自己判断でやめるのではなく、医師と相談しながら少しずつ量や回数を調整していきましょう。

薬を「卒業」するために、今からできる3つのこと

薬はおなかを助けるためのものです。でも薬だけで終わらせるのではなく、同時におなかの土台を整えていくことが大切。

目指すのは、薬を使わなくても自然に出せる状態です。そのために、今からできることを3つ紹介します。

1. 腸の自力を育てる「酪酸菌」の摂取

腸内環境を整える善玉菌の代表格、酪酸菌(らくさんきん)。

腸のエネルギー源となり、ぜん動運動を根本からサポートします。薬で便をやわらかくしながら、同時に腸の「動く力」を育てる。この両方を意識すると、卒業に向けた土台づくりがしやすくなります。

2. 善玉菌を育てる「ラクチュロース」の摂取

ラクチュロースはミルク由来のオリゴ糖の一種です。

水分を保持する働きを持ちながら、食品成分として腸内の善玉菌を増やしてくれます。健康な成人を対象とした研究では、1日500mgのラクチュロース摂取で腸内のビフィズス菌割合が増加したとの報告があります。

3. 焦らずに少しずつ量を調整していく

  • まずは薬で便をやわらかくする
  • 痛みなく出せる日を増やす
  • トイレへの恐怖心を減らす
  • 毎日出る成功体験を積む
  • 医師と相談しながら少しずつ調整する
  • 食事・水分・腸内環境のケアを続ける

「3日に1回」が「毎日」になり、便が安定してきたら、医師と相談しながらお薬を少しずつ減らしていきます。「薬がなくても出た!」というお子さんの自信を積み重ねていきましょう。


受診・相談の目安

便秘薬の使用中でも、次のような症状がある場合は早めに医師へ相談しましょう。

  • 強い腹痛がある
  • 血便がある
  • 嘔吐や発熱がある
  • ぐったりしている
  • 水分が取れない
  • 薬を使っても便秘が改善しない

自己判断で薬を中止したり量を増減したりせず、医師や薬剤師に相談しましょう。


まとめ:薬は「卒業までの補助輪」です

酸化マグネシウムもモビコールも、お子さんの「出す苦しみ」を取り除き、腸を守るための大切な味方です。苦しいおなかを助けて、痛みのない排便をサポートし、毎日出せるリズムを取り戻すための役割を担っています。


薬にばかり頼るのが不安な気持ち、とてもわかります。実際に私も、長女の慢性便秘に悩んでいた当時は「このまま一生薬を飲み続けるのかな…」と不安でした。
しかし一番こわいのは薬を避けて出ない状態が続くことです。


正しく使いながら腸内環境や便の水分バランスを整えていくことで、いつか薬に頼らなくても出せるおなかが育ちます。


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